東鎌尾根
赤沢山・西岳・赤岩岳・大天井岳・東天井岳・横通岳・常念岳・蝶ヶ岳
蝶ヶ岳から東鎌尾根(赤沢山・西岳・赤岩岳)を望む
【行程】 | 10/5(金)晴れ [たまプラーザ21:02=(東急・東京メトロ)=竹橋21:54/22:44=(毎日アルペン号)=] 10/6(土)晴れ [=平湯4:25/5:20=(シャトルバス)=上高地5:45/6:02−明神6:51−徳沢7:50−横尾8:52−一ノ俣9:37−槍沢10:09/10:23−大曲11:16−水俣乗越12:26−ヒュッテ西岳13:40/14:03−赤沢山14:49−ヒュッテ西岳15:42(泊り)] 10/7(日)ガス[ヒュッテ西岳5:04−西岳5:16−赤岩岳6:30−ビックリ平7:12−大天井ヒュッテ7:44−大天荘8:34−東天井岳9:25−常念乗越10:35−常念岳11:53−2512P12:54−2592P13:32−蝶槍14:32−蝶ヶ岳ヒュッテ15:08(泊り)] 10/8(月)快晴[蝶ヶ岳ヒュッテ6:50−長塀山7:37−徳沢9:13/10:00−明神10:47−上高地11:40/14:11=(シャトルバス)=沢渡14:38/14:48=(さわやか信州号)=新宿20:42/20:50=(JR・東急)=たまプラーザ21:21] |
【メンバー】 | 隊長、林道の鴉天狗 |
○10月の三連休は北アルプスです。300名山のドサ回りがGWに終ったので、今年は晴れて有名所に足を運べます。甲武信ヶ岳、赤岳、北岳、木曽駒ヶ岳ときたら次は北アルプスでしょう。幸い上高地への往復バスが取れたので、それに合わせてコースを決めましょう。東鎌尾根に百高山が3座残っているので、それを核に周遊コースといたします。ただし2日目が12時間近くのコースタイムなので・・・果たして貫徹なるか?
○竹橋の集合場所には山ガールが群れていました(流石はアルプス行だぁ)・・・本日は上高地にバス乗り入れ規制日なので、平湯でシャトルバスに乗り換えです。4時半に平湯に到着すると、人生のベテランは我先にと機敏にバス停に並びます(昔取った杵づかです)寒い中を5時20分まで待つと、ようやく1番バスが到着です。我々は2番手で乗り込みますが、次々に乗ってくるのはジジババばかりでした。あの山ガール達は何処へいったのでしょう。ふと頭を過ぎったのは・・・激烈な生存競争を生き残ってきた団塊の世代のことです、昔はバスに乗り遅れまいと必死でした。最近の若者のように満ち足りてはいません。
○横尾までは延々と続く人の波。トイレは30人待ちの大渋滞です。ところが9割以上の人は涸沢に向かい、槍沢への道はぐっと空きます。大曲から水俣乗越への道はエスケープルートとして使われますが、良く踏まれた歩き易い道でした。高度を上げるに従がって赤く染まった赤沢山が目の前に広がります。水俣乗越に上がると槍ヶ岳が大きく望まれます。
○西岳に向かって梯子や鎖のある東鎌尾根を東進します。連続する長い梯子を上るとヒュッテ西岳でした。宿泊手続きをしてから500m南方にある赤沢山を目指します。小屋で道の様子を聞くと「登山道でないので一切関与しない」とのこと。それでは自己責任で参りましょう。テン場を南進すると這松の中に突入です。薄い踏み跡が続きますが這松を漕いで進みます。トラロープが掛かっていますが、鞍部までは急降下に次ぐ急降下で息つく暇もありません。
○突然、前方のピークに人影が立ちます。人が通った跡すらないのに、一体全体何処から現れたのでしょうか。すれ違い様に挨拶を交わしますが、同好の士とはいえお互い変人を見る目に違いはありません。槍沢から枝沢を詰めてきたそうです(吃驚!)この先は枝を掻き分けながら息が上がる厳しい登り返しですが、何とか前ピークに辿り着きました。ここまで来れば後は這松を避けてザレた道の稜線漫歩です。尾根の先端に三角点を見つけました。ここからの展望は見慣れた景色とは一味がったものでした。
○翌日は天気予報に反してガスで始まります。そのうち晴れるでしょう。まずは空身で西岳を往復します。夜が明け始めると周辺の笹原が妙に白い?・・・薄らと雪が積もっているのでした。赤岩岳は肩を巻きますが、出来たら山頂を踏みたいものです。そうしたら「赤岩岳まで50m」という道標が来た方向をさします。戻ると小ピークへの踏み跡がありますが、GPSを確認したら三角点はもっと先でした。
○標高差は30mぐらいですが、ザレた斜面の上には雪の乗った草付きがあり稜線へのアプローチを拒みます。この先の行程を考えると時間が勿体ないのであっさりとパスします。そのかわり先ほどのニセピークに登っておきましょう。ビックリ平に近づくと大天井から来た登山者とすれ違い始めます。皆さんはかったように「西岳への道は大丈夫?」と聞きます。何かと思えば大天井では結構な降雪があったそうです。
○ガスなので大天井岳は肩をかすめて常念岳に向かいます。東天井岳へは南の道標から踏み跡を辿ります。辺り一面に猿軍団が散開していますので注意して進みましょう・・・キーキー、キャーキャーと賑やかなことです。こちらのピークは簡単にゲットしましたが、山頂標識もない寂しいものです。横通岳は雪のある時に山頂を踏んでいるので山腹を巻きます。10名ぐらいのパーティが山頂で騒いでいました。
○常念乗越からは人の数が増えます。常念岳への道は登り下りで混み合います。情けないことに、もう脚が上がりません。1時間のコースタイムでしたがオーバーしてしまいました。晴れそうだった空でしたが再び悪化です。山頂からは蝶ヶ岳への稜線が見え隠れする程度です。蝶ヶ岳へ縦走する人は少なく静かな山旅となります。
○何とか蝶槍に辿り着いたのですが濃いガスです。晴れていれば穂高から槍の展望台ですが残念ながら何も見えません。広い岩場の稜線でしたが、踏み跡はしっかりしていますから迷う心配はありません。雨がパラつきますから小屋に急ぎましょう。天候の為でしょうか思いの外混み合わず快適な小屋ライフでした。
○翌朝は快晴です。食事の後にご来光を迎えます。朝日を浴びて次第に茜色に染まる穂高の岩壁に目は釘づけです。天を突く槍ヶ岳から西岳、赤岩岳、大天井岳、常念岳と、昨日はガスで閉ざされていた展望が一望のもとです。蝶ヶ岳からの展望を十分に堪能してから徐に下ります。本日は1時半までに上高地に着けば良いのでノンビリです。
○徳沢のテン場は木々の上に穂高が眺められて気持ちが良いので長休みとします。それでも上高地には昼前に着いてしまいました。着替えてサッパリしたら穂高の見える展望レストランで生ビールのジョッキを傾けましょう。時間が余り地酒へと進むうちに酩酊状態となってまいります。沢渡で乗り換えるとバスは一路新宿を目指しますが、三連休の最終日では中央道の渋滞は半端ではありません。当日中に着かないかも知れないと脅かされましたが、何とか9時前に新宿に到着し一安心です。
○今回は三連休を利用して東鎌尾根に残る百高山を巡る山旅でしたが、混雑の涸沢を避けることで登山者も少なく山小屋も空いていました。赤岩岳のピークは残念でしたが、最大の目標だった赤沢山に登ることができ、東天井岳にも立ち寄ることができました。初日と最終日に晴れて大展望が得られましたので、二日目のガスは仕方がありません。山肌を彩る紅葉を堪能できた三日間でした。それにしても梓川の河原から仰ぐ穂高の岩壁は、青空を背景に素晴らしい輝きを放っていました。
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