鶏冠山・木賊山

2177Pから木賊山を望む



【行程】 6/23(土)曇り時々晴れ [たまプラーザ4:00=(車)=西沢渓谷入口6:05/6:28−鶏冠山登山口6:59−鶏冠谷出合7:20−岩屋8:28−第二岩峰9:55−第三岩峰基部10:22−第三岩峰10:41/10:55−2115P11:22−2177P12:21−木賊山13:53/14:05−徳ちゃん新道分岐15:10−西沢山荘16:26−西沢渓谷入口16:55/17:10==花かげの湯17:31/19:09==たまプラーザ21:22]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗




鶏冠山までは多くの道標が整備されている東沢の渡渉は膝上までの急流でした(先行する若者たち) ○梅雨の合間を縫って山梨百名山で最難関といわれている鶏冠山に出撃です。この山には東沢の渡渉、ルートファインディング、岩稜の登攀、藪漕ぎなどのバリエーションがてんこ盛りです。ところが近年、標識の整備や鎖の設置がなされ難度は大幅に低下したようです。そうはいっても夏山ハイカーの隊長にとって高いハードルには違いありません。



○折角ですからピストンとせずに木賊山まで鶏冠尾根を登り、一般道を下る周遊コースといたします。最低でも10時間かかりますからできるだけ早く出発したいところですが、前夜に会合の入った隊長は4時発が精いっぱいでした。それでも西沢渓谷入口には6時すぎに到着です。駐車場で一緒になった若者4人組は東沢を目指すようです。



第二岩峰への垂直の岩壁(上部に真新しい鎖が掛かる)○東沢に架かる二股吊橋の先にある西沢渓谷の看板から遊歩道を外れます。ここだけロープが切れていて東沢・鶏冠山への登山口となっています。何だかオドロオドロシイ注意事項が記載されていますが・・・気にせずに突入です。いったんは河原まで下りますが東沢の右岸を高巻いて行きます。



第二岩峰から第三岩峰への岩の稜線を行く○トラロープのある急な下りで「ヒャーッ!」相棒の悲鳴とともに隊長の頭に腐った丸太が降ってきました。鴉天狗が朽木を掴み、力を入れた途端にポッキリ折れて転落したのです。相棒のメガネは崖下に吹っ飛びフレームは歪みましたが、怪我が無くて幸いでした(メガネの予備は持ちましょう)これは若しかして、もう先に進むなという警告?・・・前途に不安を抱きながら慎重に進みます。



○鶏冠谷出合で若者4人組に追いつきます。最初の1人が東沢を渡り終えたところでした。水量は多いのですが膝上5Cm程度とのことです。さっそく靴を脱いで新兵器のネオプレーンソックスを履き渡渉を開始します。流れは速いのですが荷物が軽いので、流されることなく難なく渡渉を終えました。ここで東沢組と別れて鶏冠谷に進みます。すぐにロープのところが滝になっていて、靴を濡らさずには登れません。また靴を脱ぐのも面倒なので、右岸の濡れた岩壁をへつって強引に突破します。



○その先から尾根に取り付き急登が始まります。道標・テープが多く踏跡もしっかりしているので、一般道といっても過言ではありません。結構な傾斜を登り細い稜線を乗越してから、左へトラバースすると岩峰基部のザレ場となります。ザワザワと落石の気配に緊張しつつ左へと回り込みます。急な岩場を登って行くと明るい稜線に出ました。第二岩峰の基部です。



稜線の岩峰を越えて行く(鎖が整備され簡単になってしまった)風雪に耐え朽ちかけた山梨百名山の標柱○ツツジの咲く垂直に近い大岩の上部には、銀色に輝く真新しい鎖が認められます。これなら安心して直登ができるというものです。鎖に頼って身体を持ち上げると第二岩峰の頂上でした。ガスで周囲の展望はありませんが、前方には第三岩峰の影が大きく立ちはだかっています。岩峰が林立する稜線を一体全体どうやって突破するのか?



○ところが歩き始めてみれば道は通じるものです。薄い踏跡を辿り岩の間を縫うように前進します。心配していた難所には鎖が整備されているじゃありませんか(これじゃ難度は大幅にダウンです)第三岩峰基部からは命が惜しいので、直登せずに迂回路に回ります。右下に急降下してトラバース後に登り返します。コルに飛び出て左折すると山梨百名山の標識が建つ第三岩峰でした。



○この先は危険なところはありませんが体力勝負の藪突破です。シャクナゲの枝は煩いのですが、踏跡は明瞭で迷う心配はありません。ここまでのシャクナゲの花は盛りを過ぎて白くなり、茶色に萎んだり、落花したりと無残な姿でした。ところが2100m付近からは濃いピンクの花が満開となり、多数の蕾も認められようになりました。可憐な花を愛でながらの藪漕ぎは辛さを忘れさせてくれました。


○2115P(地形図の鶏冠山)はガスがかかって展望はありませんでしたが、2177Pでは甲武信ヶ岳が望まれるようになりました。木賊山の山頂もかろうじて顔をだしています。尾根の西側を巻きながら順調に進んできましたが、稜線に戻るところでシャクナゲの密集地帯に突入です。絡み合った枝を掻き分けながら倒木を跨ぐなど、悪戦苦闘で大きく消耗いたします。



まだまだシャクナゲは綺麗○木賊山の近くでは踏跡が交錯し始めます。しっかりした踏跡だったので一番左側を選択しましたが、山頂の20m東側に飛び出しました(本来の分岐はもっと東側)山頂のベンチには単独行が休んでいました。奥秩父らしく原生林に囲まれ展望もありませんが、鶏冠尾根を征服した登山隊には充実感あふれる頂でした。そういえば鶏冠尾根では誰にも出会いませんでした。



○ここからの道は高速道路なみでした。戸渡尾根分岐からは急斜面をどんどん下って行きます。土曜日ですから大勢の宿泊組とすれ違います。酷使した脚が悲鳴を上げ始めたので近丸新道ではなく、傾斜の緩い徳ちゃん新道を選択します。少し遠回りかもしれませんが、本当に脚に優しい良い道でした。西沢山荘まで下ったら精根尽き果てました(やはり日頃の不摂生?)帰りは花かげの湯に立ち寄ります。公営ですから500円とリーズナブル。併設のレストランも悪くありません。ただ強烈な塩素の臭いには参りました(まぁ汗が流せれば良しとしましょう)



○今回は梅雨の合間を縫っての鶏冠山でした。山梨百名山の最難関としては少々肩透かしでしたが・・・高度感溢れる岩の稜線歩きや、誰も居ない奥深い原生林、シャクナゲ大群落など見どころ満載でした。ただ加齢の所為でしょうか、著しい体力の低下が課題です。それにしても岩稜と藪で久しぶりに上半身が痛い山行となりました(情けなぁ〜)



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