谷川岳馬蹄形縦走

谷川岳・一ノ倉岳・茂倉岳・武能岳・七ツ小屋山・朝日岳・笠ヶ岳・白毛門岳

白毛門岳から谷川岳東壁を望む


【行程】 10/11(日)曇り時々雨 曇りのち雨 [鷺沼5:19=(東急・東京メトロ)=東京6:11/6:23=(たにがわ401)=上毛高原7:50/8:00=(関越交通バス)=谷川岳ロープウエイ8:35/8:40−《西黒尾根》ラクダのコル10:38−トマノ耳11:48−オキノ耳12:03/12:14−一ノ倉岳13:06−茂倉岳13:29−武能岳14:41−蓬ヒュッテ15:14(泊り)]
10/12(月)快晴 [蓬ヒュッテ5:52−七ツ小屋山6:40−清水峠7:19−J・P9:00−朝日岳9:15/9:23−笠ヶ岳10:14/10:29−白毛門11:18−松ノ木沢の頭11:49−土合橋13:09/13:17=(関越交通バス)=水上13:37/13:54=(JR)=渋谷17:04/17:53=(東急)=たまプラーザ18:52]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗



○谷川岳の馬蹄形縦走は長く温めてきたプランです。3連休の初日が野暮用で潰れてしまったので、1泊で行ける山として急浮上しました。幸い蓬ヒュッテは宿泊OKとのこと、西黒尾根から登り時計回りで周遊することにいたします。SWで高速の渋滞に懲りた隊長は、早朝新幹線の利用といたします。

○ロープウエイの長い行列を横目に西黒尾根に向かいます。でも尾根に取り付いたのは我々だけとは・・・喧騒を離れて人通りの無い静かな山路です。本日は咽が痛く体調は万全ではありません(インフルエンザじゃないでしょうね)無理せずにゆっくりと登りましょう。朝方に降った雨で濡れた急斜面は滑りやすく、慎重に脚を運びます。ところが単独行のおにいさんが2人も軽々と抜いて行きました・・・はぁ(溜息)

○麓では晴れていたのに2本目から雨が落ちてきました。天気予報は晴れなのに、山頂を被う黒雲は一向に晴れる気配はありません、一体全体どうなっているのでしょうか。稜線の岩場に差し掛かると雨足は強くなり、濡れた鎖は思いのほか冷たく軍手をはめます。ガスで何も見えませんが、肩の小屋からの道を合わせると待望のトマノ耳です(これで3回目ですが山頂は全てガスの中・・・よほど相性が悪いのですね)

○オキノ耳で昼食にいたしますが、胴振いする鴉天狗を見て驚愕の隊長です。気が付けば手が痺れるほどの冷たさでした。慌てて温かい手袋をして出発です。左右に切れ落ちた瘠せ稜線も、ガスで視界が無いので恐怖感はありません。淡々と岩場を伝ってアップダウンを繰り返し、一ノ倉岳に到着です。

○茂倉岳からは擦れ違う人も絶え静かな山歩きとなります。ここから一気に下って武能岳を登り返します。最後の登りを終えると蓬峠まではひと頑張りです。ガスの中から黄色のカマボコ舎が現われました。僅か20人で満員の小さな小屋ですが、食事つきの貴重なベースです。本日は6人のドタキャンが出てスペースに余裕がありました。5時からの夕食後は小屋のオヤジを囲んで団欒です。

○夜中にブツブツと人の喋る声に目が覚めてしまいました。2階の誰かが何かを喋っていますが・・・どうやら寝言のようです。ところが1階のオバサンが「五月蝿い静かにして」と文句を言います『寝言に文句も無いもんだ!』ようやく寝言だと気付いたようで・・・「寝言喋らないで」とは?!

山頂手前の湿原と朝日岳○風雨は夜のうちに上がり翌朝は快晴です。本日、朝日岳に向うのは我々と女性3人組みだけです。ところがゆっくり出発という目論みは、彼女らに煽られて6時前の出発となってしまいました(何と主体性の無い)昨日とは打って変わってピーカンです。正面の真っ黒な朝日岳から昇るご来光を拝みつつ、どこまでも続く笹原状の稜線をゆっくりと登ります。

○七ツ小屋山を越えて大きく下ると清水峠です。監視小屋の先に避難小屋があり、何人かの登山者が出発準備をしています。もう7時半ですから、ちょっとノンビリしすぎでは?ここのトイレを借りますが、壁の傾斜に合わせて造られた空間は何と狭いのでしょう。隊長の人生57年間に入ったトイレの最小新記録です。チムニーを下る要領で背中を壁に押し付けながらしゃがみます(情けなぁ〜)

○朝日岳までは500mの急登で、ジャンクション・ピークまで一気に登り返します。ここで巻機山への道を分けると湿原の木道を通り山頂へ向います。誰も居ない山頂からは谷川連峰や周囲の山々が手に取るように眺められます。振り返れば黄金色に色づいた草紅葉は朝の光の中に鈍く輝き、馬蹄形の縦走路を辿れば秋の柔らかな日差しが注がれる谷川岳の稜線が正面にあります。

笠ヶ岳の急登○まだ昼食には時間が早いので笠ヶ岳まで脚を伸ばしましょう。ところが大烏帽子、小烏帽子とアップダウンを繰り返し、最後は大きく下って登り返します。この最後の急登が本日いちばんのシンドイところでした。ようやく朝一番で土合を出発した登山者と擦れ違い始めます。

紅葉した潅木に包まれる白毛門○山頂からは360度の大展望ですが、白毛門が眼下に見えるのが不思議です。反対側から続々と登山者が登ってきますが、朝日岳の山頂を見て溜息をついていました。近くに見えますが上下が多く時間は掛かります。白毛門へはザレを下って潅木帯を登り返します。こちらの山頂は谷川岳東壁の絶好の展望台です。

○下りは岩場を慎重に降ります。炎天下を沢山の日帰りハイカーが、汗を掻きながら続々と登ってきます。こちらは下るだけですが、朝からの縦走でバテバテとなり脚がもつれそうです。松ノ木沢の頭を過ぎると樹林帯に入り日差が遮られて一息つけます。ところが急傾斜の下りは止まる所を知りません、標高が下がると気温が上がり、風が通らないと蒸し風呂状態です。

○土合橋のバス停に着いたら1時間に1本のバスは8分後です・・・ラッキー。時間どおりにバスが着いた所に、縦走ザックの夫婦が走りこみます。途中で抜いた清水峠からのパーティでした。水上からはJRですが、高崎からは特別快速に乗り換え渋谷に出ます。ここまでは順調でしたが東急線が人身事故で思わぬ時間が掛かってしまいました。

○憧れの馬蹄形縦走は満足感の高い山行でした。生憎、初日の天気が悪く前半は景色が見られませんでしたが、後半はピーカンでしたから素晴しい展望が得られました。秋の谷川岳の紅葉を堪能した隊長でしたが、咽の痛みをおしての登山は体調管理上好ましくありませんでした。情けないことに数日間は尾を引く結果となりました(・・・お粗末)



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