下仁田九峰(その1)

藤山・大山・御嶽山・螢山・大崩山・川井山

藤山から大山を望む


【行程】 3/23(土)晴れ [たまプラーザ4:30=(車)=千沢2号橋P6:45/7:03−林道終点7:38−藤山8:03/8:10−林道終点8:27−P8:48/8:52==高倉P9:20−大山10:27/10:38−P11:31/11:33==ほたる山公園P11:45/12:01−御嶽山12:27/12:34−公園12:49/12:54−螢山12:58/13:00−P13:04/13:12==林道P13:19/13:24−大崩山13:48/13:52−P14:09/14:12==川井分岐P14:22/14:26−川井山14:58/15:07−P15:30/15:46==たまプラーザ19:48]
【メンバー】 隊長、林道の鴉天狗



藤山(富士山) 555m
○西上州の入口にある下仁田の町に、昔から語り継がれた9峰があるそうな。これまで情報不足から手付かずになっていましたが「新ハイキング」誌で取り上げられました。これを見逃す登山隊ではありません。雪の消えるのを待ちかねて出撃いたします。

○まずは南東にある藤山です。ここは林道歩きが長く登山口の記述も判然としません。千沢林道を辿りますがクリアランスの低い一般車では荒れた林道はちときつい。2号橋の先で車を捨てます。3号橋の先にある分岐を左に取り少し行くと道は下りだします『おいおい大丈夫かなぁ』案内記事の書き方が分かりにくく、前の分岐でロスしたので不安を抱えながら進みます。林道の行き止まりから目の前の瘤を攀じ登ります。

山頂から盟主「稲包山」を望む○ピークからは支尾根を東に向かいます。主稜線に当たると北を目指しますが、ここの分岐は分かりづらいので注意が必要です。稜線上は広く歩きやすく林業関係者が良く利用しているようでした。最後は急登が待っていました。右側の稜線沿いに高度を稼ぐと南側が切れ落ちた痩せ尾根です、山頂は西に少し行ったところにありました。

○三角点と小さな山名標識がある落ち着いたピークでした。枯れた雑木の間から西上州の山並みが望まれます。近くの御嶽山、大山などのニューフェースや遠くに稲包山、小沢山などの懐かしの山々が登山隊を迎えてくれました。幸先の良いピークハントに思わずニンマリの隊長は鼻歌交じりに次の目標へと向うのでした。



大山 857m
○大山へは稲包山への途中にある高倉から登ります。はじめは集落の手前の段々畑から上るつもりだったのですが、駐車できる場所を聞いたオバサンから「大山ならこの道から登れる」との情報を得て急遽変更しました・・・これが大間違い!

○道は墓地の横を通り沢沿いに山奥に入りますが、やがて踏跡が無くなり空沢を遡行することといたします。難しいところは全然なく一直線に登ってゆきます。やがて谷が深まり両側の稜線までの距離が遠のきました。このままでは最後に急登となると心配し始めたころに、二股が現れました。ここを右に取り少し上ったところで左側の尾根に取り付きます。

大山山頂にて ○次第に急になる傾斜に4ツン這いになって手足を駆使して登ります。泥壁の傾斜はますます急になり潅木に掴まらないと身体が上がりません。左手にある岩場の稜線なら何とか上れそうなのでそちらへ逃げます。ところが岩が脆く触るそばからボロボロと崩壊してしまいます。花粉症のクシャミとともに岩がポロリ。鴉天狗が必死に登っているところへ落石が雨あられと襲いかかります。

○わずか2mほどの岩場が乗り越えられません。3点確保しつつ岩が崩れる前に次の支点に体重を移すという曲芸を繰り返しながらようやく突破しました。ここは危険すぎるので相棒にはもう少し泥壁を我慢してもらい、安全なところからトラバースしてもらいます。核心部を過ぎると少しの急登で稜線でした、痩せ尾根上にしっかりとした踏み跡が続きます。右に50mで山頂でした。

○雑木はあるものの展望の良い山頂からは北面に雪を残した稲包山が真近に望まれます(名峰の名に恥じない堂々たる雄姿です)さて記念に山名標識を写したら周遊コースをとって下りましょう。東に5分ほど下ると南へ分岐する支尾根に入り、文字どおり急降下いたします。鞍部には右手から荒れた岨馬道が上がってきていました。

○ここはガイド通り稜線を忠実になぞり2つの瘤を越えて行きます。最初のピークには小アンテナが立ち、次のピークには社が祭ってありました。ここから一気に下りますが、調子に乗って尾根を一本間違えて行き詰まります。苦労して谷を渡り再び尾根を下ります。植生が雑木から杉林となり林業のテープに誘われ下ると白い石の沢が見えてきます。沢沿いの明瞭な踏み跡を辿ると高倉集落の上で林道にでました。ちょっと登りに手こずりましたが西上州らしさを堪能できた良い山でした。



御嶽山(兄倉山) 576m
ほたる山公園から御嶽山を仰ぎ見る○ほたる山公園の駐車場からは下仁田の街が見渡せ良い展望台です。正面には頂上に岩場を持った浅間山が鎮座しています。しかし気温が上がるに従って舞い散る花粉の量が半端ではありません。クシャミ、鼻水、目の痒みと闘志は萎えるばかりです。圧し掛かるような御嶽山の山容に「道も良いから空身で行くか〜」と思わず弱気な本音がちらり。昼食を取ったら梅の花が満開な管理棟の前から登り始めます。

○お気軽登山隊はペットボトルだけ持って急登に挑みます。気温が上がり汗ばむ陽気でしたが、ハァハァ・ゼイゼイ言いながら一気に登り切ってしまいましょう。途中で本日初の登山者とすれ違います。思わず『これがハイキングコース?』といいたくなるような険しい直登の道でしたが、最後は右側に逃げ稜線づたいに山頂を目指します。見晴らしの良い山頂からは下仁田の町が一望でき周辺の山々も同定できます。


山頂の標杭(裏には標高記載)
螢山(小太郎山) 354m
対岸から螢山(2008.4.5)○公園まで下ったら今度は道を渡って螢山に向かいます。お菊のお堂の脇を通り少々登ると螢山です。樹林に囲まれた山頂からの展望はありませんが、木々の間から御嶽山のピラミダルな雄姿が眺められます。山頂には新しい御影石の標杭が建ち下仁田9峰の銘も入ります。わずか数分で到達し何の感動も無い頂ではありますが、下仁田9峰のひとつとして尊いものでありました。






大崩山(城山) 461m?
川井山登山口から大崩山○両側を川に挟まれ切り立った崖が印象深い山です。青倉小学校の先で橋を渡ると林道が分岐しますので左手に進みます。大きく右に曲がるところで車を停め、尾根筋沿いの草深い踏跡に分け入ります。杉の払った枝が一面に散乱していて道が不明瞭で、倒木もあり歩き難い道です。何とか奥まで進むと左手に大崩山の南稜が伸びてきています。

○潅木があるものの登り易い傾斜の尾根です。グングンと高度を上げて行くと思ったより早く山頂に到着してしまいました。小潅木に囲まれた明るい山頂からは木々の間に御嶽山や川井山が覗いています。ところが山頂標識やテープの類が一切無く、本当にここが大崩山なのか不安がよぎります。周囲の山との位置関係から間違い無いと思いますが・・・前方に見える川井山がここより高く見えるじゃありませんか。地図ではほぼ同じ高さのはずです???(大崩山461m・川井山453m)

○この疑惑を晴らすには川井山へのアタック以外に良い方法は思いつきません。幸い時間は充分あるのでもうひと頑張りいたしましょう。隊長は狐につままれたような気持ちを抱きつつ、重い脚を引きづりながら下山いたします。



川井山(勝谷萱) 452m
関平橋から川井山を望む○川井山へは南稜からの直登となります。この尾根の先端を道路が回っているので適当なところから取り付きましょう。ところが尾根を切り開いて新しいバイパスが造られていました。当然、尾根への取り付きも高い崖となります。幸いなことに法面に階段が造られていましたので登山口として利用させていただきます。

○階段を登り切ると杉林となります、次第に急傾斜となり疲れた足は上がりませんが尾根を外さないように頑張ります。最後の50mぐらいは本当に急で、潅木にしがみつきながら身体を持ち上げました。山頂直下は左に逃げ稜線沿いに登ります。テープのある山頂ですが奥のピークまで痩せ尾根を辿ります、やはりこちらに三角点がありました。

○山頂から南方に大崩山を見下ろします。確かに20〜30mは川井山の方が高いのです、そこで証拠写真を1枚パチリ。疑問も解けてスッキリしたところで下りましょう。急斜面を転がるように雪崩落ちあっと言う間に登山口でした。

○夕暮れまでにあと2山は登れそうですが、身体が悲鳴を上げているので無理は禁物です(明日は会社だし)残念ですが続きは次回のお楽しみとしておきましょう。下仁田9峰は里山ですが登山道の不明な山が多く、西上州の藪山入門編としては打ってつけです。薮山に新たな魅力を見出した隊長の西上州詣ではもう止まりません。


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