金勝アルプス

金勝寺〜竜王山〜鶏冠山

天狗岩と鶏冠山


【行程】 9/8(土)晴れ [湖南アルプスから=>大鳥居13:11=(帝産バス)=桐生辻13:13−金勝寺14:45−竜王山15:04−天狗岩15:40−鶏冠山16:30−上桐生17:18/17:25=(帝産バス)=草津17:52/17:56=(JR)=新大阪18:40]
【メンバー】 隊長(単独)

○湖南アルプスから転進して来た隊長は桐生辻でバスから降り戸惑います。寂れた林道が立派な道路に変身です、第二名神栗東トンネルの工事道路になってしまっていたのです。哀れ登山道は舗装道路脇の川の中に仮設道としてパイプとパネルで造られています。橋がある度に頭を低くして下を潜らねばなりません、草ぼうぼうで埃だらけの板道の横には高圧電流が流れています、なんたるこっちゃ、なんたる屈辱。

○憤怒の半時間が過ぎトンネルを越えるとようやく山道に入ります。ガイドブック(関西の山日帰り縦走)にある直登ルートを取ります『少し山慣れた人なら問題ない』との言葉を信じた隊長が馬鹿だったのね。入口の複雑な部分は親切な記述に助けられ無事通過しましたが、進むにつれて頼りなくなるテープに次第に心細くなります。

○一度はテープを見失いますが、前のテープまで戻って赤布を結び、心を落ち着けるため食事をとりルートを探ります。やはり見落としがありました、テープを巻いた細い木が倒れていたのでした。ホッして先に進みます。何回か沢を渡り山奥へ向かいますが、今度は本当にテープが途切れてしまいました。どこかで分岐を見落としたのです『時間から考えて目指す稜線は遠くない』との確信から直進いたします。

○沢筋から離れて尾根を外さないようにグングン登ります、普通は尾根の上は歩き易いのですが広い尾根は期待はずれで途中から笹が生い茂る状態です。「藪から蛇」の恐い隊長は枯れ枝を杖代わりにし、笹を掻き分け息を切らしながら、明るいほうへと明るいほうへと進みます(金子みすゞとは無関係ですよ)

○最後に背の丈を越える笹薮を突破しますが、前方に車の通過音が??転がり出た稜線には舗装道路が!「ここはどこ?」車を止めて休んでいる兄ちゃんに地図を片手に問い掛けます「あっちが金勝寺」「えーっ、あの西にあるのがそうですか」と北を指差す大間抜けです。

竜王山から岩稜を望む
○真北に向かっているはずがいつしか東に回り込んでしまったようです・・激登の最中に磁石の確認を怠った。『しかし金勝アルプスというからには、金勝寺に来てこそ価値があるというもんだ』と早くも立ち直る隊長。ここからが縦走の始まりです、気を取り直して立派な登山道を辿ります。竜王山からはアルプスの名に相応しい荒々しい岩稜が望まれ、縦走への期待感が盛り上がります。流石に人気の山域らしく登山者の姿もちらほらと見られます。


竜王山を振返る
○耳岩から天狗岩への稜線がこのルートの核心部でしょうか、風化して露出した奇岩の数々と花崗岩の白砂と山の緑がアルペンムードを盛り上げます。天狗岩へは猟犬のセッターと一緒に登ります、岩場の橋が渡れずに飼い主に悲しい泣き声で訴える健気さに思わず微笑む隊長でした(我が家に置いてきた愛犬を想う単身赴任です)一番大きな岩には登れませんが展望は抜群です、北方は金勝寺から竜王山への稜線、南方には鶏冠山の均整の取れた山容、彼方には近江の平野と琵琶湖の水面が白く光っています。


天狗岩から鶏冠山を望む
○鶏冠山へは一度コルまで下り登り返します、樹林に囲まれ展望はありませんが気持ちの良い明るい山頂でした。尾根沿いに上桐生まで一気に下ります、途中から林道になりキャンプ場を過ぎ右折するとバス停です。今回はアルプス二縦走+低山という欲張りプランでしたが良くぞ歩き通しました、ひっそりと落ち着いた雰囲気の湖南アと明るい岩稜の金勝アという二つの対称的なアルプスの旅を堪能した長〜い一日でした。




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